はじめに
ヨルシカのアルバム、「幻燈」が届いた。
このアルバムはいつもと違って CD が付いておらず、画集になっている。曲を聴くには、画集にある絵を AR としてスマホで読み取らなければいけない。
こんな感じ
アルバムはこんな感じ。
1 曲に対して 1 つずつ絵が描かれていて、その絵をスマホで読み込むと曲を聴けるリンクに飛ぶ。
幻燈
飛んだ先では、よくある音楽ストリーミングサービスみたいに上半分にサムネイル画像があって、下に曲の進み具合がわかるバーと、再生・停止ボタンがある。
デザインが可愛いし、サムネイル画像も曲に合わせて雪が降ってたり、花が散ってたりして動くのもいい感じ。
曲を聴いてみて
一番最初の「夏の肖像」から聴いた。夏の肖像、曲の終わり方がとても好き。
画集には歌詞と絵が描かれているのでその両方を見ながら聴いていたが、昔を思い出して感動した。
昔は、サブスクなんてなくてわざわざ CD を買って歌詞カードを見ながら聴いていた。やっぱり手元に物がある状態で聴いたり読んだりするのは宝物みたいな感じがしてとても良い。
大切に音楽を聴きたくなる。
そばにある絵もとても良くて、普段だと音だけでその曲が表す背景とかをイメージしているけど、絵があることでより想像しやすい。良くも悪くもかも知れないけど。
私は車窓という言葉が好きで、音楽を聴いてる時に頭の中でその情景をイメージすることをよく「これは車窓だ」と思う。
車窓と聞くと、何をイメージするだろうか?多分人によって違くて、電車から見る海の景色かも知れないし、自動車から見る田んぼの景色かも知れない。動く車から見える景色はたくさんある。
ヨルシカの曲は本読んでいる感覚に近い。一種の物語のように、曲を聴くとその背景や情景を想像する。この想像が、窓枠から景色を眺めてどんな様子なのだろうと伺う感覚に似ているなあと思う。
絵を見ながら曲を聴くのはすごく心地が良い。絵を見るだけでもその世界を想像して楽しくなれるけど、その視覚だけでなく聴覚でも世界を想像できるのだから、とてもワクワクして楽しい。
ヨルシカの音楽
数ある音楽家の中でもヨルシカは特別だなと思う。
楽器とか音の作り方がすごく好きで、例えば都落ちでは途中 suis さんの咳払いがあったり、夏の肖像では曲の終わりで段々と耳が塞がって音がぼやけてくる感じの音を作って夏の刹那を感じさせたり本当に上手で。
n-buna さんの発想とか音楽の才能は本当にすごいのだと思う。文学とか俳句とかの知識を曲に取り入れたり、それが心地よい歌詞と言葉の音を生み出して唯一無二の音楽を作ってる。
感情とか感覚を言語化できる文才も、それを音として表現できる音楽の才能も、すごい。あの人すごい。
他にもある
今回のアルバムの序文で、これからの音楽の在り方を n-buna さんが話している。
今までのレコードやカセット、MD や CD といった物としてのメディアが今は薄れ、サブスクのようなデータを通して音楽を聴くことが一般的になったが、これからは NFT などを通してデータにも唯一性が付け加えられさらに音楽の在り方は変わっていくと。
ただ、この唯一性を持ったデータが広く普及するまでにはまだ時間がかかりそうであるということも書いてある。
今回は、レコードなどと同様に唯一性を持った音楽メディアの比喩として画集になるのだ。私たちがレコードプレイヤーのボタンをすように、絵を通して音楽を聞ける体験を、唯一性のある体験を実現したかったのだろう。
n-buna さんはコラムでこう言ってた 🤣
勿論、一番迷惑を被るのは君たちファンなわけなんだけれども。皆サブスクで手軽に聞きたいよね〜。嫌です。
さよならロリス
相棒はサルのロリス
惚けた顔